(仮訳)中国、横断山脈産アンチゴケ属地衣の分類学的研究
Wang, X-Y. et al., 2015. Taxonomic study of the genus Anzia (Lecanorales, lichenized Ascomycota) from Hengduan Mountains, China. The Lichenologist. Available at: http://journals.cambridge.org/abstract_S0024282914000644 [Accessed October 29, 2016].
【R3-03427】2016/10/29投稿

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3行まとめ

中国、横断山脈において採集されたアンチゴケ属地衣を検討し、10種を認めた。
そのうちAnzia pseudocolpotaを新種記載し、新組み合わせ/新階級A. hypomelaenaを提唱した。
中国産アンチゴケ属地衣の既知種全種の検索表を掲載した。
中国雲南省維西リス族自治県立地坪山

(新種)

Anzia pseudocolpota Xin Y. Wang & Li S. Wang
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【よく似た種との区別】
Anzia colpota(アンチゴケモドキ)
中国に分布する
地衣成分としてジバリカト酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より裂片の幅が広い
本種と異なり裂片の先端が尖るのではなく丸い
本種と異なり海綿状組織がパッチ状ではなく連続的で厚い
本種と異なり髄層が2層ではなく1層からなる
本種と異なり髄層に中心軸を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia centrifuga
“chondroidal band”を有する
裂片の先端が粉霜状
地衣成分が類似している
本種と異なり中国ではなくマデイラ諸島に分布する
本種と異なり亜高山帯に分布しない
本種と異なり乾燥した日の当たる場所に発生する
本種と異なり樹皮生ではなく岩上生である
本種より地衣体のサイズがずっと小さい
本種より子実層の幅が狭い
Anzia japonica(サボテンアンチゴケ)
中国に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
裂片が掌状
海綿状組織が類円形パッチ状で不連続
髄層が2層からなる
本種と異なり地衣体上面に常に粉霜を伴うという特徴を欠く
本種と異なり髄層に中心軸を欠く
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含む
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸を含まない

(その他掲載種)

Anzia colpota Vain.
アンチゴケモドキ
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【よく似た種との区別】
Anzia japonica(サボテンアンチゴケ)
中国に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
髄層に中心軸を欠く
本種と異なり海綿状組織が下面全体において連続的ではなく類円形のパッチ状をなす
本種と異なり髄層がC+赤色
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含む
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸およびセキカ酸を含まない
Anzia colpodes
形態的に同一(同種の可能性が考えられている)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり東アジアなどではなく北米東海岸に分布する
本種と異なり地衣成分としてセキカ酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia pseudocolpota
中国に分布する
地衣成分としてジバリカト酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より裂片の幅が狭い
本種と異なり裂片の先端が丸いのではなく尖る
本種と異なり海綿状組織が連続的で厚いのではなくパッチ状
本種と異なり髄層が1層ではなく2層からなる
本種と異なり髄層に中心軸を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia formosana
中国に分布する
生態的分布が類似している
髄層に中心軸を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり髄層がC陰性ではなくC+赤色
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Anzia formosana Asahina
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【よく似た種との区別】
Anzia hypoleucoides(セスジアンチゴケ)
中国に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり髄層に中心軸を有する
本種と異なり髄層がC陽性ではなくC陰性
本種と異なり地衣成分としてロバール酸を含む
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia opuntiella(アンチゴケ)
中国に分布する
髄層が2層からなる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり裂片が線形で分岐するのではなくOpuntia属類似
本種と異なり髄層がC陽性ではなくC陰性
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸およびセキカ酸を含む
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia colpota(アンチゴケモドキ)
中国に分布する
生態的分布が類似している
髄層に中心軸を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり髄層がC+赤色ではなくC陰性
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia ornata(コフキアンチゴケ)
中国に分布する
生態的分布が類似している
髄層に中心軸を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり髄層がC+赤色ではなくC陰性
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia hypomelaena
中国に分布する
地衣成分としてアンジア酸を含む
本種と異なり裂片の先端が尖るのではなく丸い
本種と異なり裂片の縁部が白色で隆起するのではなく不明瞭
本種と異なり髄層が2層からなるという特徴を欠く
本種と異なり髄層に中心軸を有する
Anzia japonica(サボテンアンチゴケ)
中国に分布する
髄層に中心軸を欠く
髄層がC陰性
地衣成分としてアンジア酸を含まない
本種より地衣体のサイズが大きい
本種と異なり裂片が広い鈍頭ではなく尖る
本種と異なり海綿状組織が連続的ではなく不連続
本種と異なり髄層が2層からなるという特徴を欠く

(その他掲載種)

Anzia hypoleucoides Müll. Arg.
セスジアンチゴケ
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【よく似た種との区別】
Anzia formosana
中国に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり髄層に中心軸を欠く
本種と異なり髄層がC陰性ではなくC陽性
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含む
本種と異なり地衣成分としてロバール酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia leucobatoides
中国に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
髄層に中心軸を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体のサイズがずっと大きい
本種より裂片の幅が広い
本種と異なり裂片が丸いのではなく尖る
本種と異なり子器盤が赤褐色ではなく淡黄褐色
本種と異なり海綿状組織が褐色~黒色ではなく白色~淡褐色
本種と異なり髄層の中心軸が髄層の下部に位置するのではなく髄層に埋まる
本種と異なり髄層の中心軸が黒色ではなく白色
本種と異なり髄層の中心軸が円筒形ではなく扁平
本種と異なり髄層がC+赤色
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含む(ただし相手の種もアンジア酸を含まないことがあり、タイプ標本にも含まれていなかった)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia rhabdorhiza
中国に分布する
地衣体のサイズが小型
裂片の先端が尖る
裂片に粉霜を伴わない
髄層に中心軸を有する
髄層がC陰性
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より偽根が長い
本種と異なり海綿状組織が偽根を覆う
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸を含む
本種と異なり地衣成分としてロバール酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia flavotenuis
髄層に中心軸を有する
地衣成分としてロバール酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ、新階級)

Anzia hypomelaena (Nylander) Xin Y. Wang & Li S. Wang
旧名:Anzia leucobatoides f. hypomelaena Zahlbr.
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【よく似た種との区別】
Anzia leucobatoides
中国に分布する
髄層に中心軸を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体のサイズが大きい
本種と異なり海綿状組織が黒色ではなく白色
本種と異なり地衣成分としてロバール酸を含む
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia mahaeliyensis
髄層に中心軸を有する
地衣成分としてアンジア酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスリランカのみに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia formosana
中国に分布する
地衣成分としてアンジア酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり裂片の先端が丸いのではなく尖る
本種と異なり裂片の縁部が不明瞭なのではなく白色で隆起する
本種と異なり髄層が2層からなる
本種と異なり髄層に中心軸を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Anzia japonica (Tuck.) Müll. Arg.
サボテンアンチゴケ
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【よく似た種との区別】
Anzia colpota(アンチゴケモドキ)
中国に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
髄層に中心軸を欠く
本種と異なり海綿状組織が類円形のパッチ状をなすのではなく下面全体において連続的
本種と異なり髄層がC+赤色でない
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸およびセキカ酸を含む
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含まない
Anzia formosana
中国に分布する
髄層に中心軸を欠く
髄層がC陰性
地衣成分としてアンジア酸を含まない
本種より地衣体のサイズが小さい
本種と異なり裂片が尖るのではなく広い鈍頭
本種と異なり海綿状組織が不連続ではなく連続的
本種と異なり髄層が2層からなる
Anzia pseudocolpota
中国に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
裂片が掌状
海綿状組織が類円形パッチ状で不連続
髄層が2層からなる
本種と異なり地衣体上面に常に粉霜を伴う
本種と異なり中心軸を有する
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸を含む
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含まない
Anzia opuntiella(アンチゴケ)
中国に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
髄層が2層からなる
髄層に中心軸を欠く
本種と異なり裂片が掌状でない
本種と異なり海綿状組織が類円形パッチ状でない
本種と異なり髄層がC+赤色ではなくC陰性
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含まない
Anzia ornata(コフキアンチゴケ)
中国に分布する
髄層が2層からなる
本種と異なり地衣体縁部にロビュールを有する
本種と異なり海綿状組織が常に類円形パッチ状でない
本種と異なり髄層がC+赤色でない
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含まない

(その他掲載種)

Anzia leucobatoides (Nyl.) Zahlbr.
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【よく似た種との区別】
Anzia hypoleucoides(セスジアンチゴケ)
中国に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
髄層に中心軸を有する
地衣成分としてロバール酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体のサイズがずっと小さい
本種より裂片の幅が狭い
本種と異なり裂片が尖るのではなく丸い
本種と異なり子器盤が淡黄褐色ではなく赤褐色
本種と異なり海綿状組織が白色~淡褐色ではなく褐色~黒色
本種と異なり髄層の中心軸が髄層に埋まるのではなく髄層の下部に位置する
本種と異なり髄層の中心軸が白色ではなく黒色
本種と異なり髄層の中心軸が扁平ではなく円筒形
本種と異なり髄層がC+赤色でない
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含まない(ただし本種もアンジア酸を含まないことがあり、タイプ標本にも含まれていなかった)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia hypomelaena
中国に分布する
髄層に中心軸を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体のサイズが小さい
本種と異なり海綿状組織が白色ではなく黒色
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含む
本種と異なり地衣成分としてロバール酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Anzia opuntiella Müll. Arg.
アンチゴケ
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【よく似た種との区別】
Anzia japonica(サボテンアンチゴケ)
中国に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
髄層が2層からなる
髄層に中心軸を欠く
本種と異なり裂片が掌状
本種と異なり海綿状組織が類円形パッチ状
本種と異なり髄層がC陰性ではなくC+赤色
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含む
Anzia hypoleucoides(セスジアンチゴケ)
中国に分布する
髄層が2層からなる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり裂片がOpuntia属類似ではなく線形で分岐する
本種と異なり髄層がC陰性ではなくC陽性
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含む
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸およびセキカ酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia ornata(コフキアンチゴケ)
中国に分布する
裂片に粉霜を欠く
髄層が2層からなる
髄層に中心軸を欠く
髄層がC陰性
地衣成分としてアンジア酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり裂片がOpuntia属類似ではなく規則的な線形
本種と異なり地衣体縁部に粉芽状のロビュールを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Anzia ornata (Zahlbr.) Asahina
コフキアンチゴケ
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【よく似た種との区別】
Anzia japonica(サボテンアンチゴケ)
中国に分布する
髄層が2層からなる
本種と異なり地衣体縁部にロビュールを有さない
本種と異なり海綿状組織が常に類円形パッチ状
本種と異なり髄層がC+赤色
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含む
Anzia ornatoides
ロビュールを有する
本種より裂片の幅がずっと狭い
本種より裂片がずっと線形
本種と異なり髄層が2層ではなく1層からなる
本種と異なり地衣成分としてロバール酸を含む
Anzia formosana
中国に分布する
生態的分布が類似している
髄層に中心軸を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり髄層がC陰性ではなくC+赤色
本種と異なり地衣成分としてアンジア酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Anzia opuntiella(アンチゴケ)
中国に分布する
裂片に粉霜を欠く
髄層が2層からなる
髄層に中心軸を欠く
髄層がC陰性
地衣成分としてアンジア酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり裂片が規則的な線形ではなくOpuntia属類似
本種と異なり地衣体縁部に粉芽状のロビュールを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Anzia rhabdorhiza Li S. Wang & M. M. Liang
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Anzia physoidea
偽根が海綿状組織に覆われる
本種と異なり髄層に中心軸を欠く
本種と異なり地衣成分としてロバール酸を含む
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸を含まない
Anzia hypoleucoides(セスジアンチゴケ)
中国に分布する
地衣体のサイズが小型
裂片の先端が尖る
裂片に粉霜を伴わない
髄層に中心軸を有する
髄層がC陰性
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり偽根が海綿状組織に覆われない
本種と異なり地衣成分としてロバール酸を含む
本種と異なり地衣成分としてジバリカト酸を含まない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される